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準看護師の診療行為

保険医の登録の取消処分及び元保険医療機関への対応について

平成 24 年9月3日に開催されました近畿地方社会保険医療協議会において「保険医に係る 登録の取消」が妥当との答申及び「元保険医療機関の指定の取消相当」についての建議があ りました。 これを受け近畿厚生局長は、次のとおり対応することを決定しましたのでお知らせします。

 

1.保険医の登録の取消

(1)登録の取消となる保険医

氏 名 正司 夏男(しょうじ なつお)〔64歳〕

(2)取消年月日 平成24年9月6日

 

2.元保険医療機関の指定の取消相当の取扱い

(1)指定の取消相当となる元保険医療機関

名 称 正司内科・クリニック

所在地 大阪府大阪市北区天神橋3-1-2

開設者 正司 夏男

 

(2)取消相当年月日 平成 24 年9月6日 ※ 当該保険医療機関は平成 24 年6月8日付で廃止していることから、指定の取消相当の取り扱 いとしている。

 

3.監査を行うに至った経緯

(1)平成 21 年9月3日、正司内科・クリニックに勤務していた准看護師が、平成 18 年5 月から平成 21 年2月にかけて医師免許がないにもかかわらず診療行為を繰り返してい たとして、医師法違反で逮捕されたとの新聞報道があった。

 

(2)平成 22 年3月 31 日、准看護師に対しては、医師法第 17 条違反等により懲役2年(執 行猶予4年)及び罰金 30 万円の刑が確定し、平成 22 年4月 24 日、正司夏男医師に対 しても、医師法第 17 条違反等により罰金 50 万円の刑が確定した。

 

(3)平成 22 年 11 月に、患者調査を 16 名に対して実施し、調査に応じた5名のうち3名 について、准看護師が診療行為を行っていたことを確認した。

 

(4)以上のことから、医師でない者が行った診療行為について、不正に診療報酬を請求し ていた疑義が生じたことから、監査要綱第3の1及び2に該当するものとして、平成 23 年5月から平成 24 年3月までの間、計 11 回の監査を実施した。

 

4.主な事故の内容

(1)主な不正・不当の概要

① 実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請 求していた。(付増請求)

② 実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に 請求していた。(振替請求)

③ 医師でない者が行った診療行為について、診療報酬を不正に請求していた。(その 他請求)

④ 医師又は薬剤師でない者が行った調剤について、診療報酬を不正に請求していた。 (その他請求)

⑤ 診療録に必要な記載がないなど、算定要件を満たさない診療報酬を不当に請求して いた。(不当請求)

 

(2)不正・不当の金額 監査において判明した不正額は、監査で使用した平成 18 年6月分から平成 22 年8 月分までの 166 件(28 名分)のレセプトのうち次のとおり

不正金額 26 名 163 件 1,906,574 円

不当金額 20 名 71 件 86,084 円

計 275 件 1,992,658 円 (※ 不正と不当のレセプトは重複している)

なお、監査で判明した分以外についても、不正・不当請求のあったものについては、監査の 日から5年前まで遡り保険者へ返還させることとしている。

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